公認会計士・税理士の藤沼です。
独立の傍ら、副業で監査のバイト(その他、色々)をしています。
独立直後は 収入が安定しないため、色々な副業に手を出して生活していました。
そこで今回は そんな私の経験をもとに、①会計士にオススメの副業 と ②副業のできる会社 をご紹介します。
想定読者
- 副業をしたい会計士の方
or - 副業OKの会社を探している方
少しでもご参考になれば幸いです。
目次
一般的な副業は、大きく4つ

事務所をスタートした頃は、全くと言って良いほど仕事がありませんでした。
「収入ゼロ」というのは死活問題でしたから、ネットで必死に「副業」を調べました。
2020年現在、一般的(代表的)な副業は4つあります。
一般的な副業
- 転売・せどり
- 物販
- アフィリエイト(ブログ)
- Youtube
いずれも、土日の空いた時間でできる副業です。
しかし 私自身すべて試したものの、、、どれも失敗でした。
1.転売・せどり

実は 私も13年ほど前まで、転売をしていました。
当時は今ほど「転売」のノウハウが知られておらず、ライバルが少なかったため 簡単に儲けることができました。
転売で最もオーソドックスなのが、①実店舗で商品をサーチ、②Amazonでの市場価値と照合し、③市価よりも安ければ購入、④AmazonFBAへ入庫 という方法です。
Amazon倉庫を利用することで、在庫リスクは負うものの 在庫の保管場所には困りません。
また、Amazonへの出品により、売れた際はFBAから発送作業も代行してもらえます。
また 実店舗に足を運ばなければならないことから、自家用車が必須となる点にも留意してください。
2.物販

文字どおり、物を販売します。
最もかんたんな物販としては、私物を「メルカリ」で販売することです。
しかし それでは限界があり、継続できる副業とは言えません。
中国にもメルカリのようなサイトがあり、例えば「アリババ」というサイトでは、中国の業者が大量生産した物品を販売しています。(かなり安い)
これを大量に仕入れてAmazonで販売するのも良いですが、これではあまり利益が出ません。(日本国内にライバルが多いため)
すると、(内容は同じであっても)自社ブランドとして販売することができ、Amazonショッピング内でも「他の同製品とは別物」と扱われるため、自由な価格設定ができます。(これはAmazon特有のシステムです)
しかし、物販は「会計」「税務」等とは親和性が全くなく、会計士としての知見を活かすことはできません。
また、在庫リスクを抱えるためマーケット調査が必須であり、リサーチに相当な時間を要するでしょう。(もはや「副業」ではなく「業者」です)
3.アフィリエイト(ブログ)

「ブログで稼ぐ」
耳にされた事のある方も、多いのではないでしょうか。
確かに、2017年頃までは副業としてアフィリエイトがブームでした。
しかし、2020年現在は 状況が一変しました。
2020年5月に実施された、Googleコアアルゴリズムアップデート(正式名称:May 2020 Core Update)により、「個人」のブログがほとんど稼げなくなってしまったのです。
ブログアフィリエイトでは、Google検索からの流入がメインとなるため、Google検索での上位を取ることが重要です。
ですが先述のアップデートにより、「法人が運営しているメディア」が上位表示されることとなり、「個人が運営しているメディア」はほぼ死にました。
ちなみに、ブログアフィリエイトで必要となる知識は、大きく次の3つです。
アフィリエイトで必要な知識
- SEO
- WordPress
- セールスライティング
SEO(Search Engine Optimization)とは、サーチエンジン最適化といい、Google検索アルゴリズムから評価されやすいWebサイトの作成ノウハウを言います。
WordPressとは、SEOに強いWebサイト構築ソフトであり、使いこなすためには(多少の)プログラミングスキルが必要です。
そしてセールスライティングとは、文字により物・サービスを販売することを言いい、Web上での営業マンとしてのノウハウを指します。
また いずれの知識も「会計」「監査」「税務」とは親和性が低く、あえて会計士が副業とするメリットはないでしょう。
そのため、会計士が「副業」として取り組むには コストパフォーマンスが非常に低いため、オススメしません。
4.Youtube

近年、ブログアフィリエイトに代わる副業として、Youtubeが注目されています。
いや 注目どころか、「稼げる」ことが周知されていますね。
Youtubeは、撮影してアップロードすれば、誰でも動画を全世界に公開することができます。
しかし、Youtubeは(すぐに始めることができるものの)公開後すぐに売上が発生するわけではありません。
「収益化基準」を満たしたチャンネルのみ「広告」を貼ることができ、収益化基準を満たすまでは売上が発生しません。
Youtubeの収益化基準
- 総再生時間:4,000時間以上
- 登録者数:1,000人以上
上記を両方満たさなければなりません。
チャンネルの内容等にもよりますが、収益化には最低3ヶ月、平均6ヶ月かかると言われています。
毎日動画を撮影し、編集し、再生数を元に分析し改善しなければなりません。(思っている以上に手間がかかります。)
たとえば、公認会計士のYoutuberとしては、「小山あきひろさん」が有名です。
また、税理士のYoutuberとしは、「ヒロさん」と「大河内薫さん」の2名が有名です。
登録者数を比べると分かりますが、会計士の小山あきひろさんは登録者数4万人弱であるのに対し、税理士のヒロさんは17万人超え、大河内薫さんは20万人超えです。
Youtubeで稼ぐためには、多くの人に動画を見てもらう必要があります。
「税金」なら消費者に広く需要がありますが、「会計」に興味のある消費者は少ないのです。
そのため、何か「武器となる趣味」がある会計士の方にはYoutubeをオススメできますが、そうでない方(私も含めて)はオススメできません…。
会計士としての知見を活かした副業

せっかく「公認会計士」という貴重な資格を有しているのですから、私たちにしかできないことを副業にしましょう。
我々会計士の「知見」を活かせる副業は、次の4つです。
会計士の知見を活かせる副業
- セミナー講師
- Webライター
- ベンチャーの社外役員
- 非常勤の監査バイト(オススメ)
特に 社外役員と監査のバイトは、(土日にできないものの)報酬が非常に高く、会計士の副業としてはオススメです。
1.セミナー講師
意外と、会計士なら誰でもできます。
私は「ジャスネットキャリア」というエージェントを使っていましたが、おそらく他のエージェントでも募集していると思います。
(宣伝になりそうなのでリンクは避けますが、「ジャスネットキャリア セミナー講師」で検索すると該当ページがヒットします。)
報酬については、(私の場合は)セミナー料金を全て自分で設定でき、売上も全て自分の収入になるという契約でした。
受講生は 経理部の方、または会計事務所勤務の方が大半です。
セミナー後は様々なご質問や相談を受けたりと、自分にとって実のある経験にもなりましたが、事前準備が多く必要なので手間がかかります。
「お手軽な副業」とは言い難いですが、講師経験のある会計士の方にはオススメです。
2.Webライター
会計・税務に関するメディアの「記事執筆」を請け負います。
たとえば私は、会計ソフトの「マネーフォワード」で記事を執筆していました。
(参考画像)
引用元:https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/173/
会計士としての知見を活かしやすく、セミナーのように受講生から質問されることもありませんので、「お手軽」です。
なお、契約金額の相場は次のとおりです。
未経験者の相場
- 1文字あたり1円~3円
※ 1記事あたり2500~3000文字前後が一般的です。
メディアの探し方としては、「ランサーズ」「クラウドワークス」等のクラウドソーシングを利用すると簡単です。
多くのメディア(企業)が今も募集をかけているでしょう。
しかし 利用者数が多くライバルも多いため、単価も1文字1円など安いものが多いです。
そこで私は、Google検索から直接メディアを探しました。
例えば まず「会計 メディア」と検索し、会計に関するメディア一覧を入手します。
そして次に「メディア名 ライター募集」で検索することで、そのメディアがWebライターを募集しているか確認します。(「メディア名」には、上記で入手した具体的なメディア名を入れてください。)
募集をかけているメディアでは 「募集要項ページ」を設けているため、そこから問い合わせを行います。
メディアと直接契約することで、クラウドソーシングサイトに手数料を支払う必要がないため、金銭的にもお得です。
しかし、懸念点もあります。
懸念点
- 本名を公開しなければならない
- クライアントによっては修正が多く、時給1,000円程度にしかならない
- 多少、SEOの知識も必要
会計士の場合 監査法人などで「文書化作業」に慣れている方も多く、文章を書くこと自体は苦にならないでしょう。
しかし 編集者によるチェックもありますから、修正のキャッチボールに手間がかかります。(契約は文字単価ですから、執筆以外の作業が増えるほど 時給は下がってしまいます。)
また、ほとんどのケースで本名を公開しなければならず、ネット上に個人情報が残り続ける…というデメリットもあります。(私は開き直っていますが)
副業としてはお手軽ですが、デメリットも大きいため、十分なご検討を。
3.ベンチャーの社外役員
公認会計士として8年以上のキャリアを積んだ方には、「社外役員」という選択肢があります。
常勤ではないため、出社日数が少なく(副業とは呼べませんが)時間を有効に活用できるでしょう。
ただし、難点があります。
副業として社外役員を選ぶ際の難点
- 出社する曜日などを選べない
- 社会的責任を負う
役員経験は、会計士としてのキャリアにも大きなメリットとなるでしょう。
しかし、その分 社会的な責任を負います。
副業感覚ではなく、1つのキャリアとして考えるべきでしょう。
>>MS-Japanなら、社外役員求人を入手できます。
4.非常勤の監査バイト(おすすめ)
唯一、今も続けている副業が「監査法人の非常勤職員」です。
とにかく時給が高く、副業と呼ぶには もったいない程。
では実際に、私の「給与明細」を見てみましょう。
副業1ヶ月分の給与明細

時給7,000円の契約です。
たとえば 週2日働くだけで年間520万円。
正直 これだけで十分食べていけます。
会計士のバイトについては、「公認会計士のバイトの時給は超高単価」の記事で詳細解説しています。
また この副業の探し方は、MS-Japanという転職エージェントに登録し、紹介してもらうだけです。
私の時給はわりと平均的な方でして、中には 時給10,000円 という監査法人もあります。
ぜひ探してみてくださいね。
会計士として副業ができる会社を探す

近年 週休4日+副業OKの会社が増えています。
正社員として週3日だけ働けば良いわけですから、「自分らしさ」を取り戻す方も増えるでしょう。
ここでは、そんな副業OKの会社の探し方と、個人的におすすめな 副業OKの監査法人 をご紹介します。
副業OKの求人を探す方法
求人を探す際は、転職エージェントを使うことになります。
そして 副業OKの会社は増加傾向ですが、全体としてはまだまだ少数です。
1番のオススメは「MS-Japan」です。
なぜなら 唯一の会計士専門エージェントであり、求人数もNo.1だったからです。
>>関連記事:公認会計士がオススメする転職エージェント【比較20社】
実際、副業可な求人数がとても多く、無料で使うことができます。
【非公開】副業OKの監査法人をご紹介します
実は 私の契約している監査法人でも、副業が認められています。
監査法人で副業を認めているケースは大変珍しく、実際に転職エージェントに登録してみると「副業OKの監査法人」はほとんどヒットしません。
理由は、「副業をバリバリやられては、本業に支障がでる可能性があるため」です。
そのため表立って「副業可」と記載する監査法人は、まだまだ少ないのです。
ここで、こっそりと求人をご紹介します。
非公開の求人のため あまり詳細を書けませんが、
- 規模:50~100名
- 年収:BIG4と同程度
- 残業:とても少ない
- 社歴:40年以上
- 副業:もちろんOK
という中小法人です。
珍しく「残業をあまりさせない」という方針の法人であり、人が全然辞めません。
もし ご興味のある方がいらっしゃれば、お問い合わせ下さい。
詳細を提供させていただきます。
>>お問い合わせ
会計士の副業まとめ

最後にまとめです。
会計士の副業まとめ
- 最も稼げるのは「非常勤の監査」
- 2020年下期は、副業OKの会社が増加中
- 副業求人を探すなら、転職エージェントの利用がオススメ
監査法人での非常勤は、とても美味しいです。
副業というよりも、むしろ人によっては本業以上の稼ぎになるでしょう。(週5日入れば、年収1,500万ほどなので)
その他、副業求人を探す際はMS-Japanを利用されると良いですよ。
会計士への需要は(思っている以上に)多いです。
本記事が、あなたの収入UPにつながったら嬉しいです。